何の川? もしや・・・
まさか、同じ夢を・・・
獣医の親戚のおじちゃん
おばあちゃん家
ショッカーとの戦い
ゆめこは、仮面ライダーが好きだった。
ショッカーをやっつけ、たくさんの人を助ける強さに憧れ、
私もショッカーに会う事があったなら、
仮面ライダーの様に勇敢に戦うことをひそかに心に誓った。
ある日、いつも通り、学校から帰宅途中に道草を食って、
トンボやバッタと楽しく遊んでいたら、
知らないおじさんが「道草を食ってないで、早く帰りなさい!」
と言って近づいてきた。
「なんだ、このおじさんは!」と思い、おじさんの顔を見たとたん、
おじさんは「イーッ」と叫んだ。
そう、ショッカーだったのだ。
ゆめこは「ぎゃあぁぁぁ~」と叫び、一目散に走って帰宅した。
「ねえねえ、お母さん、変なおじさんがいて、振り向いたらショッカーだった」
と言ったら、
「それは、こんな顔だったかい?」と母が振り向いたら、
母が「イーッ」と叫んだ。
「ぎゃあぁぁぁ~」とゆめこは叫び、父にすがりついた。
「お父さん、お母さんがショッカーになってる!」と言ったら、
父は「それは、こんな顔だったかい?」と言って、
振り向いたら、父が「イーッ」と叫んだ。
「ぎゃあぁぁぁ~」と叫んで、外へ飛び出し、近所のおばちゃんに会った。
「ゆめこちゃん、お水を飲んじゃだめよ、ショッカーに・・・」と叫んだとたんに、
「イーッ」と叫び、おばちゃんまでもがショッカーに変身した。
「ぎゃあぁぁぁ~」と叫び、周りはショッカーだらけになったことに気付き、
下水道へ逃げた。
近所に住んでいる親戚のおばちゃんのことが気になった。
遊びに行く度にアイスクリームをくれる優しいおばちゃんだったから、
おばちゃんは大丈夫なのか、とてもとても気になった。
もしショッカーに会ったなら、
仮面ライダーの様に勇敢に戦うことをひそかに心に誓ったことを思い出した。
親戚のおばちゃんを助けに行くことに決めた。
親戚のおばちゃんの家はおそらくこのあたりだろうと思える場所で、
マンホールの蓋を押し上げて、おばちゃんの家へ走った。
おばちゃんがいた。
「おばちゃん、早く逃げて!ショッカーになっちゃう!」と叫んだ。
おばちゃんは、「ショッカー もしかしたら、こんな顔だったかい?」と
振り向いたら、親戚のおばちゃんまでもが「イーッ」と叫んだ。
「ぎゃあぁぁぁ~」と叫んで全速力で山へ向かって走った。
山には神社があり、とりあえず神社の建物内へ逃げた。
ショックと疲れで、ゆめこは少しウトウトした。
どの位の時間が経っただろうか?
なんだか、外が騒々しくなってきた。
見ると、神社の前に、まるでキャンプの様に大きな焚火をして、
その周りをたくさんのショッカーが囲んでダンスをしていた。
ショッカーもダンスをするんだと思った。
結構、上手だった。
神社には、それはそれは長い刀が一本置いてあった。
ゆめこは、その刀を持って、ショッカー達の前に堂々と登場した。
「かかってこい!」と格好良く言ってみたら、本当にショッカー達がかかってきた。
ゆめこは、刀を懸命に振り回した。
刀は、ショッカーにはかすりもせず、ゆめこはだんだんあせってきた。
お賽銭箱が近くにあった。
それを持ち上げようとしたら、お賽銭箱が宙に舞い、
中に入っていたたくさんの金貨がバラまかれ、
金貨達は次々とショッカーを攻撃し、月に向かって消えて行った。
気付くと、ショッカー達は、全員、消えていた。